はじめに
あなたは、「できる」と「できない」を、白黒ハッキリと分けて考えていませんか?
例えば、毎日手の込んだ料理を作る。新しいスキルを学ぶために毎日2時間勉強する。人付き合いが苦手なのに、毎晩のように飲み会に参加する…etc.
できる人から見れば簡単に見えることでも、あなたにとっては大きな負担になっているかもしれません。
実は、「できる」と「できない」の間には、「できるけど疲れる」というグレーゾーンが存在します。
そして、この「できるけど疲れる」状態を毎日続けることは、実はかなりの無理をしている可能性が高いのです。
この記事では、「できるけど疲れる」という状態について深掘りし、自分の心の体力ゲージを大切にする方法について考えてみましょう。
「できるけど疲れる」は、心のレッドゾーン
「できるけど疲れる」状態とは、ギリギリの力で頑張っている状態です。いわば、常に過労状態のようなもの。
仕事で例えるなら、締め切りに追われて徹夜続きでプロジェクトを完成させるようなイメージです。達成感は得られるかもしれませんが、心身ともにヘトヘトになってしまいますよね。
これは、あなたがそのタスクをこなすための心の体力が不足しているサインです。
心の体力は、人それぞれ違います。生まれ持った気質や、過去の経験、その日の体調によっても大きく変動します。
例えば、もともと内向的な人が大人数のパーティーに参加するのは、外交的な人よりも多くのエネルギーを消費します。同じように、睡眠不足や体調不良の時は、普段簡単にできることでも、大きな負担に感じてしまうでしょう。
だからこそ、他人と自分を比較して、「あの人はできているのに、なぜ私は…」と自分を責める必要はありません。
周りの人は、見た目以上に努力をしていたり、実はあなたと同じように疲れているかもしれません。あるいは、得意不得意分野が違ったり、そもそも体力ゲージの総量が違ったりする可能性もあります。
無理を重ねると、心は悲鳴を上げる
「できるけど疲れる」状態を放置し、無理を続けていると、どうなるでしょうか?
最初は小さな疲労感だったものが、徐々に大きなストレスへと変わっていきます。そして、最終的には ** burnout(燃え尽き症候群)** や うつ病 などの深刻な心の病気を引き起こす可能性も否定できません。
また、常に緊張状態が続くことで、自律神経のバランスが崩れ、頭痛、めまい、不眠などの身体的な症状が現れることもあります。
「できるけど疲れる」と感じているのに、無理をし続けることは、まるで壊れかけの車に鞭打って走り続けるようなものです。いずれ車は故障し、立ち往生してしまうでしょう。
「疲れるからやらない」という選択肢
「できるけど疲れる」と感じているなら、「疲れるからやらない」という選択肢を持つことも大切です。
私たちは、「頑張ることが美徳」と教えられて育ってきました。しかし、常に全力疾走し続けることは不可能です。
時には休息を取り、自分の心の体力ゲージを回復させる必要があります。「疲れるからやらない」と決断することで、心に余裕が生まれ、本当にやりたいこと、大切なことにエネルギーを注ぐことができるようになります。
例えば、毎日手の込んだ料理を作るのが疲れるなら、週末だけにする、または、平日は簡単に作れるメニューにするなど、工夫してみましょう。市販の惣菜や冷凍食品を活用するのも良いですね。
人付き合いが疲れるなら、無理に誘いを全て受けるのではなく、時には断る勇気を持つことも必要です。参加する場合は、短時間で帰ったり、無理に話そうとせず、聞き役に回ったりするのも良いでしょう。
自分の心の声に耳を傾けよう
「できるけど疲れる」と感じているなら、それはあなたの心がSOSを発しているサインです。
他人と比較したり、自分を責めたりするのではなく、まずは自分の心の声に耳を傾けてみましょう。「今日は疲れているな」「本当はやりたくないな」と感じたら、無理せず休むことを選択しましょう。
そして、「疲れるからやらない」という選択肢を持つことを恐れないでください。
自分の心の体力ゲージを大切に管理することで、心身ともに健康で、より充実した人生を送ることができるでしょう。